小型風力発電は採算が合うのかどうか?
固定価格買取制度が導入されてから10年ほど経ち、10年前と比較すると再生可能エネルギーは大幅に普及したと言えるかと思いますが、毎年売電単価の低下が進んでいるということもあり、新規参入に関してはなかなか難しい状況と言えるかと思います。主に太陽光発電に対する収益性が低下しており、多くの投資家が新たな投資先を模索し始めている状況下で注目され始めたのが「小型風力発電」になります。日本ではまだ、ほとんど力を入れてこなかったという経緯もあり、普及度に関してはまだまだ低いです。
今回はそんな小型風力発電は採算性が合うのか見ていこうと思います。
小型風力発電の設備導入費用
小型風力発電の設備投資としては基本的に太陽光発電の2倍の価格は見積もらなければなりません。太陽光発電だと本体が1,500万円ほどで済む場合であっても、風力発電は本体が3,000万円ほどかかることが多くなります。購入費用だけを見ると採算性が合うのか疑問に感じるところもあるかと思います。
小型風力発電の売電単価
風力発電に関しても売電単価は毎年下がってきている状況ではあるのですが、2016年度の売電単価で比較をすると、太陽光発電が24円/kWhであるのに対し、小型風力発電は55円/kWhと2倍以上の開きがあることがわかるかと思います。
例を取って見ていきましょう。
小型風力発電及び太陽光発電ともに年間発電量が60,000kWhであった場合
| 小型風力発電 | 60,000kWh×(55円/kWh×1.1(消費税))×20年間=72,600,000円 |
| 太陽光発電 | 60,000kWh×(24円/kWh×1.1(消費税))×20年間=31,680,000円 |
このようにみてみると4,092万円の開きがあることがわかります。
また、太陽光発電は日中しか発電できないのに対し、風力発電は風を動力に発電しておりますので、基本的には24時間風があれば発電をしてくれます。
単純な計算でもこれほどの売電価格に差が出てきますので、小型風力の方が太陽光よりも設備投資が2倍近くかかりますが、将来的には小型風力の方が利回りが大きくなってくる可能性は高いかと思います。
